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貧しき信徒

著者:八木重吉

まずしきしんと - やぎ じゅうきち

文字数:4,502 底本発行年:1969
著者リスト:
著者:八木 重吉
底本: 八木重吉詩集
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母の瞳(ひとみ)

ゆうぐれ

瞳をひらけば

ふるさとの母うえもまた

とおくみひとみをひらきたまいて

かわゆきものよといいたもうここちするなり

お月見

月に照らされると

月のひかりに

こころがうたれて

芋(いも)の洗ったのや

すすきや豆腐(とうふ)をならべたくなる

お月見だお月見だとさわぎたくなる

花がふってくると思う

花がふってくると思う

花がふってくるとおもう

この てのひらにうけとろうとおもう

涙

つまらないから

あかるい陽(ひ)のなかにたってなみだを

ながしていた

秋

こころがたかぶってくる

わたしが花のそばへいって咲けといえば

花がひらくとおもわれてくる

光

ひかりとあそびたい

わらったり

哭(な)いたり

つきとばしあったりしてあそびたい

母をおもう

けしきが

あかるくなってきた

母をつれて

てくてくあるきたくなった

母はきっと

重吉よ重吉よといくどでもはなしかけるだろう

風が鳴る

とうもろこしに風が鳴る

死ねよと 鳴る

母の瞳(ひとみ)

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貧しき信徒 - 情報

貧しき信徒

まずしきしんと

文字数 4,502文字

著者リスト:
著者:八木 重吉

底本 八木重吉詩集

青空情報


底本:「八木重吉詩集」白凰社
   1969(昭和44)年9月20日第1刷発行
入力:j.utiyama
校正:丹羽倫子
1998年8月20日公開
2011年2月15日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

青空文庫:貧しき信徒

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