木綿以前の事
著者:柳田国男
もめんいぜんのこと - やなぎた くにお
文字数:176,841 底本発行年:1962
自序
女と
『七部集』は三十何年来の私の愛読書であります。
これを道案内に頼んでこの時代の俳諧の、近頃活字になったものも追々に読んでみました。
その折々の心覚えを書き留めておいたのを、近頃取出して並べて見ますと、大部分は女性の問題であったことが、自分にも興味を感じられます。
それで二三の関係ある文章を取添えて、一冊の本にすることにしたのであります。
大抵は人に語りまたは何かの集まりに話をしたものの
或いは男のくせにという批判を、誰かから受けそうな気もしますが、実は私には女の子が四人あり、孫も四人あって四人とも女です。
彼らとともに、またはその立場から、次の時代を考えてみなければならぬ必要が、前にもあり今もしばしばあるのであります。
昭和十四年四月
[#改丁]
木綿以前の事
一
『七部集』の
はんなりと
鑓持ちばかり戻る
自序
ブックマーク系
サイトメニュー
シェア・ブックマーク
木綿以前の事 - 情報
青空情報
底本:「木綿以前の事」岩波文庫、岩波書店
1979(昭和54)年2月16日第1刷発行
2009(平成21)年12月9日第21刷改版発行
2010(平成22)年9月6日第22刷発行
底本の親本「定本柳田國男集 第十四巻」筑摩書房
1962(昭和37)年5月
初出:木綿以前の事「女性」
1924(大正13)年10月
何を着ていたか「斯民家庭」
1911(明治44)年6月
昔風と当世風「彰風会講演」
1928(昭和3)年3月
働く人の着物「旅と伝説」
1936(昭和11)年7月
国民服の問題「被服」
1939(昭和14)年5月
団子と昔話「ひだびと」
1936(昭和11)年3月
餅と臼と擂鉢「社会経済史学」
1934(昭和9)年1月
家の光「家の光」
1926(大正15)年2月
囲炉俚談「文学」
1935(昭和10)年3月
火吹竹のことなど「知性」
1939(昭和14)年4月
女と煙草「ひだびと」
1939(昭和14)年2月
酒の飲みようの変遷「改造」
1939(昭和14)年2月
凡人文芸「短歌研究」
1934(昭和9)年2月
古宇利島の物語「短歌民族」
1933(昭和8)年5月
遊行女婦のこと「俳句研究」
1934(昭和9)年4月
寡婦と農業「農業経済研究」
1929(昭和4)年10月
山伏と島流し「俳句講座」
1932(昭和7)年8月
生活の俳諧「第一高等学校講演」
1937(昭和12)年12月
女性史学「実践女学校講演」
1934(昭和9)年7月
女性史学「民間伝承」
1936(昭和11)年3月
※「何を着ていたか」の初出時の表題は「私共の祖先は何んな着物を着て居ましたか」です。
※「団子と昔話」の初出時の表題は「団子浄土」です。
※「家の光」の初出時の表題は「学問の為に」です。
※「酒の飲みようの変遷」の初出時の表題は「民俗と酒」です。
※「凡人文芸」の初出時の表題は「凡人文芸の帰趨」です。
※「寡婦と農業」の初出時の表題は「農業と婦女児童」です。
※「山伏と島流し」の初出時の表題は「神釈と俳句」です。
※「生活の俳諧」の初出時の表題は「文芸と民衆生活」です。
※「女性史学」の講演時、初出時の表題は「女性と歴史」です。
入力:Nana ohbe
校正:川山隆
2013年5月11日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
青空文庫:木綿以前の事