• URLをコピーしました!

六百句

著者:高浜虚子

ろっぴゃくく - たかはま きょし

文字数:17,725 底本発行年:1947
著者リスト:
著者高浜 虚子
親本: 六百句
0
0
0


さきに『ホトトギス』五百号を記念するために、改造社から『五百句』という書物を出し、また『ホトトギス』五百五拾号を記念するために、桜井書店から『五百五十句』という書物を出した。 今度また菁柿堂せいしどうすすめによって、『ホトトギス』六百号を記念するために『六百句』という書物を出すことになった。

これは昭和十六年から、昭和二十年までの句の中から選んだものである。 『五百句』の時と同じく句数は厳格に六百句と限ったわけではなく多少超過しているかもしれぬ。

昭和二十一年九月十一日

小諸山廬こもろさんろにて

高浜虚子

[#改丁]

[#ページの左右中央]

昭和十六年

[#改ページ]

初凪はつなぎや大きな浪のときに来る

一月元日 由比ゆいはま散歩。

大仏に袈裟掛けさがけにある冬日かな

一月三日 家庭俳句会。 鎌倉八幡宮初詣。 南浦園。

枯菊をらずに日毎ひごとあはれなり

一月十日 草樹会。 一ツ橋。 学士会館。

つと割れば笑みこぼれたり寒牡丹かんぼたん

寒燈にいつまで人のたたずみぬ

一月十三日 笹鳴会。 丸之内倶楽部日本間。

冬日濃き所を選みたもとほる

一月十六日 杣男そまお招宴。 東品川、玉泉閣。

過ぎて行く日を惜みつつ春を待つ

餅花もちばなに出しひつこめし顔綺麗きれい

一月十七日 大崎会。 丸之内倶楽部別室。

映画出て火事のポスター見て立てり

一月二十一日 銀座探勝会。 金春こんぱる映画館。

喰積くいつみにとき/″\動く老のはし

一月二十二日 「玉藻五句集(第四十八回)」。

この辺の人気じんきは荒し海苔のりを干す

一月二十二日 物芽会。

━ おわり ━  小説TOPに戻る
0
0
0
読み込み中...
ブックマーク系
サイトメニュー
シェア・ブックマーク
シェア

六百句 - 情報

六百句

ろっぴゃくく

文字数 17,725文字

著者リスト:
著者高浜 虚子

底本 虚子五句集(上)〔全2冊〕

親本 六百句

青空情報


底本:「虚子五句集(上)〔全2冊〕」岩波文庫、岩波書店
   1996(平成8)年9月17日第1刷発行
底本の親本:「六百句」菁柿堂
   1947(昭和22)年9月25日再版
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※「俄(にわ)か」と「俄(にわか)」、「至る」と「到る」、「籐椅子(といす)」と「籐椅子(とういす)」の混在は底本通りです。
※新仮名によると思われるルビの拗音、促音は、小書きしました。
入力:岡村和彦
校正:酒井和郎
2016年6月10日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

青空文庫:六百句

小説内ジャンプ
コントロール
設定
しおり
おすすめ書式
ページ送り
改行
文字サイズ

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!