万葉秀歌
著者:斎藤茂吉
まんようしゅうか - さいとう もきち
文字数:208,415 底本発行年:1938
序
万葉集は
本書はそのような標準にしたが、これは国民全般が万葉集の短歌として是非知って居らねばならぬものを出来るだけ選んだためであって、万人向きという意図はおのずから
そうして選んだ歌に簡単な評釈を加えたが、本書の目的は秀歌の選出にあり、歌が主で注釈が従、評釈は読者諸氏の参考、鑑賞の助手の役目に過ぎないものであって、
右のごとく歌そのものが主眼、評釈はその従属ということにして、一首一首が大切なのだから飽くまで一首一首に執着して、若し大体の意味が
本書では一首一首に執着するから、いわゆる万葉の精神、万葉の日本的なもの、万葉の国民性などいうことは論じていない。
これに反して一助詞がどう一動詞がどう第三句が
本書で試みた一首一首の短評中には、先師ほか諸学者の結論が
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参照注釈書略表
抄…………仙覚「万葉集抄」
拾穂抄……北村季吟「万葉拾穂抄」
代匠記……契沖「万葉代匠記」
僻案抄……荷田春満「万葉集僻案抄」
考…………賀茂真淵「万葉考」
槻落葉……荒木田久老「万葉考槻落葉」
略解………橘千蔭「万葉集略解」
燈…………富士谷御杖「万葉集燈」
攷證………岸本由豆流「万葉集攷證」
檜嬬手……橘守部「万葉集檜嬬手」
緊要………橘守部「万葉集緊要」
古義………鹿持雅澄「万葉集古義」
美夫君志…木村正辞「万葉集美夫君志」
註疏………近藤芳樹「万葉集註疏」
新釈………伊藤左千夫「万葉集新釈」
新考………井上通泰「万葉集新考」
選釈………佐佐木信綱「万葉集選釈」
新解………武田祐吉「万葉集新解」
新講………次田潤「万葉集新講」
講義………山田孝雄「万葉集講義」
序
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万葉秀歌 - 情報
青空情報
底本:「万葉秀歌 上巻」岩波新書、岩波書店
1938(昭和13)年11月20日第1刷発行
1953(昭和28)年7月23日第22刷改版発行
1968(昭和43)年11月25日第44刷改版発行
2002(平成14)年8月26日第92刷発行
「万葉秀歌 下巻」岩波新書、岩波書店
1938(昭和13)年11月20日第1刷発行
1948(昭和23)年1月20日第10刷改版発行
1954(昭和29)年1月7日第23刷改版発行
1968(昭和43)年12月25日第41刷改版発行
2002(平成14)年9月5日第87刷発行
入力:門田裕志
校正:松永正敏
2008年7月23日作成
2020年9月12日修正
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