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瘠我慢の説 03 書簡

著者:福沢諭吉

やせがまんのせつ - えのもと たけあき

文字数:603 底本発行年:1901
著者リスト:
著者:榎本 武揚
著者:勝 海舟
著者:福沢 諭吉
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序章-章なし

福沢先生の手簡

拝啓(はいけい)仕候(つかまつりそうろう)。 陳(のぶれ)ば過日瘠我慢之説(やせがまんのせつ)と題したる草稿(そうこう)一冊を呈(てい)し候。 或(あるい)は御一読も被成下(なしくだされ)候哉(そうろうや)。 其節(そのせつ)申上(もうしあげ)候通り、何(いず)れ是(これ)は時節(じせつ)を見計(みはからい)、世に公(おおやけ)にする積(つもり)に候得共(そうらえども)、尚(なお)熟考(じゅくこう)仕候(つかまつりそうろう)に、書中或は事実の間違は有之間敷哉(これあるまじきや)、又は立論之旨(りつろんのむね)に付御意見は有之間敷哉(これあるまじきや)、若(も)しこれあらば無御伏臓(ごふくぞうなく)被仰聞(おおせきけられ)被下度(くだされたく)、小生の本心は漫(みだり)に他を攻撃して楽しむものにあらず、唯(ただ)多年来(たねんらい)心(こころ)に釈然(しゃくぜん)たらざるものを記(しる)して輿論(よろん)に質(ただ)し、天下後世の為(た)めにせんとするまでの事なれば、当局の御本人に於(おい)て云々(しかじか)の御説もあらば拝承(はいしょう)致(いた)し度(たく)、何卒(なにとぞ)御漏(おんもら)し奉願候(ねがいたてまつりそうろう)。 要用のみ重(かさね)て申上候。 匆々(そうそう)頓首(とんしゅ)。

二月五日諭吉

…………様

尚(なお)以(もって)彼の草稿(そうこう)は極秘(ごくひ)に致し置、今日に至るまで二、三親友の外へは誰れにも見せ不申候(もうさずそうろう)。 是亦(これまた)乍序(ついでながら)申上候(もうしあげそうろう)。 以上。

[#改ページ]

勝安芳氏の答書

従古(いにしえより)当路者(とうろしゃ)古今一世之人物にあらざれば、衆賢之(しゅうけんの)批評(ひひょう)に当る者あらず。 不計(はからず)も拙老(せつろう)先年之行為(こうい)に於て御議論(ごぎろん)数百言(すうひゃくげん)御指摘(ごしてき)、実に慙愧(ざんき)に不堪([ママ])ず、御深志忝(かたじけなく)存(ぞんじ)候(そうろう)。

行蔵(こうぞう)は我に存す、毀誉(きよ)は他人の主張、我に与(あず)からず我に関せずと存(ぞんじ)候(そうろう)。 各人(かくじん)へ御示(おしめし)御座(ござ)候(そうろう)とも毛頭(もうとう)異存(いぞん)無之(これなく)候(そうろう)。 御(おん)差越之(さしこしの)御草稿(ごそうこう)は拝受(はいじゅ)いたし度(たく)、御許容(ごきょよう)可被下(くださるべく)候也(そうろう)。

二月六日安芳

福沢先生

拙(せつ)、此程(このほど)より所労(しょろう)平臥中(へいがちゅう)、筆を採(と)るに懶(ものう)く[#「懶く」は底本では「瀬く」]、乱(らん)筆蒙御海容度(ごかいようをこうむりたく)候(そうろう)。

[#改ページ]

榎本武揚氏の答書

拝復。 過日御示(おしめし)被下(くだされ)候(そうろう)貴著瘠我慢中(やせがまんちゅう)、事実(じじつ)相違之廉(そういのかど)並(ならぴ)に小生之(しょうせいの)所見(しょけん)もあらば云々との御意(ぎょい)致拝承(はいしょういたし)候(そうろう)。 昨今別而(べっして)多忙(たぼう)に付(つき)いずれ其中(そのうち)愚見(ぐけん)可申述(もうしのぶべく)候(そうろう)。 先(まず)は不取敢(とりあえず)回音(かいおん)如此(かくのごとく)に候也。

二月五日武揚

福沢諭吉様

序章-章なし
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瘠我慢の説 - 情報

瘠我慢の説 03 書簡

やせがまんのせつ 03 しょかん

文字数 603文字

著者リスト:
著者:榎本 武揚
著者:勝 海舟
著者:福沢 諭吉

底本 明治十年丁丑公論・瘠我慢の説

親本 明治十年丁丑公論・瘠我慢の説

青空情報


底本:「明治十年丁丑公論・瘠我慢の説」講談社学術文庫、講談社
   1985(昭和60)年3月10日第1刷発行
   1998(平成10)年2月20日第10刷発行
底本の親本:「明治十年丁丑公論・瘠我慢の説」時事新報社
   1901(明治34)年5月2日発行
初出:「明治十年丁丑公論・瘠我慢の説」時事新報社
   1901(明治34)年5月2日発行
※副題の「書簡」は、このファイル作成時に付けたものです。
※誤り箇所は底本の親本にて確認しました。
※「福沢先生の手簡」の末尾、「申上候(もうしあげそうろう)。以上。」は、底本の親本では、「申上候也。」となっています。
入力:kazuishi
校正:田中哲郎
2006年11月7日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

青空文庫:瘠我慢の説

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