星の銀貨
原題:Die Sterntaler
著者:グリム兄弟 Bruder Grimm
ほしのぎんか
文字数:1,036 底本発行年:1949
むかし、むかし、小さい女の子がありました。
この子には、おとうさんもおかあさんもありませんでした。
たいへんびんぼうでしたから、しまいには、もう住むにもへやはないし、もうねるにも
でも、この子は、心のすなおな、信心のあつい子でありました。 それでも、こんなにして世の中からまるで見すてられてしまっているので、この子は、やさしい神さまのお力にだけすがって、ひとりぼっち、野原の上をあるいて行きました。 すると、そこへ、びんぼうらしい男が出て来て、
「ねえ、なにかたべるものをおくれ。 おなかがすいてたまらないよ。」 と、いいました。
女の子は、もっていたパンひとかけのこらず、その男にやってしまいました。 そして、
「どうぞ神さまのおめぐみのありますように。」 と、いのってやって、またあるきだしました。 すると、こんどは、こどもがひとり泣きながらやって来て、
「あたい、あたまがさむくて、こおりそうなの。 なにかかぶるものちょうだい。」 と、いいました。
そこで、女の子は、かぶっていたずきんをぬいで、子どもにやりました。
それから、女の子がまたすこし行くと、こんど出て来たこどもは、着物一枚着ずにふるえていました。
そこで、じぶんの
そのうち、女の子はある森にたどり
さて、それまでしてやって、それこそ、ないといって、きれいさっぱりなくなってしまったとき、たちまち、たかい空の上から、お星さまがばらばらおちて来ました。
しかも、それがまったくの、ちかちかと
女の子は、銀貨をひろいあつめて、それで一しょうゆたかにくらしました。
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星の銀貨
ほしのぎんか
文字数 1,036文字