ブレーメンの町楽隊
原題:Die Bremer Stadtmusikanten
著者:グリム兄弟 Bruder Grimm
ブレーメンのちょうがくたい
文字数:4,246 底本発行年:1949
主人もちのろばがありました。
もうなが年、こんきよく、おもたい袋をせなかにのせて、粉ひき
しばらくあるくうちに、
「おい、すたこら大将、なにをあっぷ、あっぷいっている。」 と、ろばは声をかけました。
「いやはや、きいてくれ、こういうわけだ。」
と、犬はいいました。
「なにしろ年はとる、いくじがなくなる、おいらもむかしのげんきで
「ところで話だが、おいら、これからブレーメンの町へ出かけて、町の楽隊にやとってもらおうとおもうんだ、どうだ、おめえ、いっしょに行って、いちばん、音楽でめしをくう気はないか。
おいらリュウトをひくから、おめえ、カンカラ
りょう犬は、うん、よかろうというので、いっしょに出かけました。
それからあまり行かないうちに、ねこが一ぴき、往来にすわりこんだまま、それこそ三日も雨をくったような顔をしていました。
「やあ、どうしたい、
「いのちとかえがけというところだ。
けいきのいい顔をしてもいられまい。
なにしろ年をとって来てね、歯はばくばくになる、ねずみのやつをおいまわすよりか、ろばたで
「おれたちとなかまで、ブレーメンの町へ行けよ。 おまえさんは、夜の音楽ならお手のものだろう、町の楽隊につかってもらえるぜ。」 と、ろばはいいました。
ねこは、さっそくさんせいして、いっしょに出かけました。
やがて、三人組の
「おい、骨のしんまで、じいんとくるような声を出すなあ。 どうかしたのかい。」
と、ろばはいいました。
「なあに、あしたはいいお天気ですよって、知らせてやっているところだよ。」 と、おんどりはいいました。
「なにしろ、けっこうなお
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ブレーメンの町楽隊
ブレーメンのちょうがくたい
文字数 4,246文字