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宇宙の始まり

著者:スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius

うちゅうのはじまり

文字数:169,528 底本発行年:1944
著者リスト:
底本: 宇宙の始まり
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序章-章なし

目次

※(ローマ数字1、1-13-21) 宇宙の生成に関する自然民の伝説

最低度の自然民には宇宙成立に関する伝説がない/原始物質は通例宇宙創造者より前からあると考えられた/多くの場合に水が原始物質と考えられた/インドの創造神話/渾沌/卵の神話/フィンランドの創造伝説/洪水伝説/創造期と破壊期/アメリカの創造伝説/オーストラリアの創造神話/科学の先駆者としての神話/伝説中の外国的分子

※(ローマ数字2、1-13-22) 古代文化的国民の宇宙創造に関する諸伝説27

カルデア人の創造伝説/その暦と占星術/ユダヤ人の創造説話、天と地に対する彼らの考え/エジプト人の観念/ヘシオドによるギリシア人の開闢論と、オヴィドのメタモルフォセスによるローマ人の開闢論

※(ローマ数字3、1-13-23) 最も美しきまた最も深き考察より成れる天地創造の諸伝説59

アメンホテプ王第四世/太陽礼拝/ツァラトゥストラの考え方/ペルシア宗派のいろいろな見方/宇宙進化の周期に関するインド人の考え/「虚無」からの創造/スカンジナビアの創造に関する詩

※(ローマ数字4、1-13-24) 最古の天文観測78

時間算定の実用価値/時の計測器としての太陰/時間計測の目的に他の天体使用/長い時間の諸周期/カルデア人の観測と測定/エジプト暦/エジプト天文学者の地位/ピラミッドの計量/支那人の宇宙観/道教/列子の見方/孔子の教え

※(ローマ数字5、1-13-25) ギリシアの哲学者と中世におけるその後継者97

泰西の科学は特権僧侶階級の私有物/ギリシアの自然哲学者たち/タレース、アナキシメネス、アナキシマンドロス、ピタゴラス派/ヘラクリトス、エムペドクレス、アナキサゴラス、デモクリトス/自然科学に対するアテン人の嫌忌/プラトン、アリストテレス、ヒケタス、アルキメデス/アレキサンドリア学派/ユードキソス、エラトステネス、アリスタルコス、ヒッパルコス、ポセイドニオス/プトレマイオス/ローマ人/ルクレチウス/アラビア人の科学上の位置/科学に対する東洋人の冷淡/アルハーゼンの言明

※(ローマ数字6、1-13-26) 新時代の曙光。 生物を宿す世界の多様性…118

ラバヌス・マウルス/ロージャー・ベーコン/ニコラウス・クサヌス/レオナルド・ダ・ヴィンチ/コペルニクス/ジョルダノ・ブルノ/ティコ・ブラーヘ/占星術/ケプラー/ガリレオ/天文学に望遠鏡の導入/教会の迫害/デカルトの宇宙開闢論/渦動説/遊星の形成/地球の進化に関するライブニッツとステノ/デカルト及びニュートンに対するスウェデンボルグの[#「スウェデンボルグの」はママ]地位/銀河の問題/他の世界の可住性に関する諸説/ピタゴラス、ブルノ/スウェデンボルグと[#「スウェデンボルグと」はママ]カントの空想

※(ローマ数字7、1-13-27) ニュートンからラプラスまで。 太陽系の力学とその創造に関する学説158

ニュートンの重力の法則/彗星の行動/天体運動の起源に関するニュートンの意見に対しライブニッツの抗議/ビュッフォンの衝突説/冷却に関する彼の実験/ラプラスの批評/カントの宇宙開闢論/その弱点/土星環形成に関するカントの説/「地球環」の空想/銀河の問題についてカント及びライト/太陽の最期に関するカントの説/カントとラプラスとの宇宙開闢論の差異/ノルデンスキェルドとロッキャー並びにG・H・ダーウィンの微塵説/ラプラスの宇宙系/それに関する批評/星雲に関するハーシェルの研究/太陽系の安定度についてラプラス及びラグランジュ

※(ローマ数字8、1-13-28) 天文学上におけるその後の重要なる諸発見。 恒星の世界185

恒星の固有運動/ハレー、ブラドリー、ハーシェルの研究/カプタインの仕事/恒星の視差/ベッセル/分光器による恒星速度の測定/太陽と他の太陽または恒星星雲との衝突/星団及び星雲の銀河に対する関係/天体の成分と我々の太陽の成分との合致/マクスウェルの説/輻射圧の意義/隕石/彗星/スキアパレリの仕事/ステファン及びウィーンの輻射の法則/雰囲気の意義/地球並びに太陽系中諸体の比重/光の速度/小遊星/二重星/シーの仕事/恒星の大きさ/恒星の流れ/恒星光度に関するカプタインの推算/二重星の離心的軌道/その説明/恒星の温度/太陽系における潮汐の作用/G・H・ダーウィンの研究/遊星の回転方向/ピッケリングの説/天体に関する我々の観念の正しさの蓋然性

※(ローマ数字9、1-13-29) 宇宙開闢説におけるエネルギー観念の導入225

太陽並びに恒星の輻射の原因に関する古代の諸説/マイヤー及びヘルムホルツの考え/リッターの研究/ガス状天体の温度/雰囲気の高さ/太陽の温度/エネルギー源としての太陽の収縮/天体がその雰囲気中のガスを保留し得る能力/ストーネー及びブライアンの仕事/天体間の衝突の結果に関するリッターの説/銀河の問題/星雲/恒星の進化期/太陽の消燼とその輻射の復活に関するカントの考え/デュ・プレルの叙述

※(ローマ数字10、1-13-30) 開闢論における無限の観念252

空間は無限で時は永久である/空間の無限性に関してリーマン及びヘルムホルツ/恒星の数は無限か/暗黒な天体や星雲が天空一面に輝くことを阻止する/物質の不滅/スピノザ及びスペンサーの説/ランドルトの実験/エネルギーの不滅/器械的熱学理論/この説の創設者等の説は哲学的基礎の上に立つものである/「熱的死」に関するクラウジウスの考え/死んだ太陽の覚醒に関するカント及びクロルの説/ハーバート・スペンサーの説/化学作用の意義、太陽内部の放射性物質と爆発性物質/天体内のヘリウム/地球の年齢/クラウジウスの説における誤謬/クラウジウスの学説に代わるもの/時間概念の進化/地球上に生命の成立/原始生成か、外からの移住か/難点[#「難点」は底本では「離点」]/この問題に対する哲学者の態度/キューヴィエーの大変動説/これに関するフレッヒの意見/生物雑種の生成に関するロェブの研究/生命の消失に及ぼす温度の影響に関する新研究/原始生成説と萌芽汎在説との融和の可能性/無限の概念に関する哲学上並びに科学上の原理の比較/観念の自然淘汰

訳者付記297

人名索引

[#改丁]

先年私がスウェーデンの読者界のために著した一書『宇宙の成立』“Das Werden der Welten”(V※(ダイエレシス付きA小文字)rldarnas Utveckling)が非常な好意をもって迎えられたのは誠に感謝に堪えない次第である。 その結果として私は旧知あるいは未知の人々からいろいろな質問を受けることになった。 これらの質問の多くは、現今に比べると昔は一般に甚だ多様であったところのいろいろの宇宙観の当否に関するものであった。 これに答えるには、有史以前から既にとうにすべての思索者たちの興味を惹いていた宇宙進化の諸問題に関するいろいろな考え方の歴史的集成をすれば好都合なわけである。

ところが今度ある別な事情のために、ニュートンの出現以前に行われた宇宙開闢論的観念の歴史的発達を調べるような機縁に立至ったので、このついでにこの方面における私の知識を充実させれば、それによって古来各時代における宇宙関係諸問題に対する見解についての一つのまとまった概念を得ることが可能となった。 この仕事は私にとっては多大な興味のあるものであったので、押し付けがましいようではあるが、恐らく一般読者においても、この方面に関する吾人の観照が、野蛮な自然民の当初の幼稚なまとまらない考え方から出発して現代の大規模な思想の殿堂に到達するまでに経由してきた道程について、多少の概念を得ることは望ましいであろうと信じるようになった。 ヘッケル(H※(ダイエレシス付きA小文字)ckel)が言っているように『ただそれの成り立ち(Werden)によってのみ、成ったもの(das Gewordene)が認識される。 現象の真の理解を授けるものはただそれの発達の歴史だけである。』

この言葉には多少の誇張はある――たとえば現代の化学を理解するために昔の錬金術者のあらゆる空想を学び知ることは必要としない――しかしともかくも、過去における思考様式を知るということは、我々自身の時代の観照の仕方を見る上に多大の光明を与えるという効果があるのである。

最も興味のあるのは我々現在の観念の萌芽が最古の最不完全な概念形式の中に既に認められることである。

序章-章なし
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宇宙の始まり - 情報

宇宙の始まり

うちゅうのはじまり

文字数 169,528文字

著者リスト:

底本 宇宙の始まり

親本 史的に見たる科学的宇宙観の変遷

青空情報


底本:「宇宙の始まり」第三書館
   1992(平成4)年11月1日初版発行
底本の親本:「史的に見たる科学的宇宙観の変遷」岩波文庫、岩波書店
   1944(昭和19)年
※底本には、同書の由来に関する以下の記述があります。「本書は、S・A・アーレニウス著、岩波文庫版『史的に見たる科学的宇宙観の変遷』(寺田寅彦訳、一九四四年岩波書店刊)を底本に、一部文字表記を現代の読者が読みやすくなるように改めた。」
※各章の内容説明を含む目次は、見出しとページ数を結ぶ三点リーダーを省いて入力しました。人名索引は、入力しませんでした。
※第六図と第七図の掲載順を、底本と入れ替えました。
※図版は、底本の親本からとりました。
入力:手嶋善成
校正:トレンドイースト
2010年8月2日作成
2012年5月10日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

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