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ぼろぼろな駝鳥

著者:高村光太郎

ぼろぼろなだちょう - たかむら こうたろう

文字数:231 底本発行年:1958
著者リスト:
著者高村 光太郎
底本: 近代詩の鑑賞
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序章-章なし

何が面白おもしろくて駝鳥だちょううのだ。

動物園の四つぼ半のぬかるみの中では、

あしが大また過ぎるゃないか。

くびがあんまり長過ぎるゃないか。

雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるゃないか。

腹がへるからかたパンも喰ふくううが、

駝鳥だちょうの眼は遠くばかり見てゃないか。

身も世もない様に燃えてゃないか。

瑠璃るり色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまゃないか。

あの小さな素朴そぼくな頭が無辺大の夢でさかまいてゃないか。

これはもう駝鳥だちょうゃないゃないか。

人間よ、

もう止せ、こんな事は。

序章-章なし
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ぼろぼろな駝鳥 - 情報

ぼろぼろな駝鳥

ぼろぼろなだちょう

文字数 231文字

著者リスト:

底本 近代詩の鑑賞

青空情報


底本:「近代詩の鑑賞」さ・え・ら書房
   1958(昭和33)年3月20日第1刷発行
   1971(昭和46)年4月10日第2刷発行
入力:倉本理恵
校正:Juki
※底本は新字旧仮名づかいです。なお拗音の小書きは、底本通りです。
※新仮名によると思われるルビの拗音は、小書きしました。
※表題は底本では、「ぼろぼろな駝鳥(だちょう)」となっています。
2014年12月27日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

青空文庫:ぼろぼろな駝鳥

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