貧しき信徒
著者:八木重吉
まずしきしんと - やぎ じゅうきち
文字数:4,502 底本発行年:1969
著者リスト:
著者:八木 重吉
底本:
八木重吉詩集
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母の瞳
ゆうぐれ
瞳をひらけば
ふるさとの母うえもまた
とおくみひとみをひらきたまいて
かわゆきものよといいたもうここちするなり
お月見
月に照らされると
月のひかりに
こころがうたれて
すすきや
お月見だお月見だとさわぎたくなる
花がふってくると思う
花がふってくると思う
花がふってくるとおもう
この てのひらにうけとろうとおもう
涙
つまらないから
あかるい
ながしていた
秋
こころがたかぶってくる
わたしが花のそばへいって咲けといえば
花がひらくとおもわれてくる
光
ひかりとあそびたい
わらったり
つきとばしあったりしてあそびたい
母をおもう
けしきが
あかるくなってきた
母をつれて
てくてくあるきたくなった
母はきっと
重吉よ重吉よといくどでもはなしかけるだろう
風が鳴る
とうもろこしに風が鳴る
死ねよと 鳴る
母の瞳
━ おわり ━
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