よだかの星
著者:宮沢賢治
よだかのほし - みやざわ けんじ
文字数:5,159 底本発行年:1979
よだかは、実にみにくい鳥です。
顔は、ところどころ、
足は、まるでよぼよぼで、
ほかの鳥は、もう、よだかの顔を見ただけでも、いやになってしまうという
たとえば、ひばりも、あまり美しい鳥ではありませんが、よだかよりは、ずっと上だと思っていましたので、夕方など、よだかにあうと、さもさもいやそうに、しんねりと目をつぶりながら、首をそっ
「ヘン。
「ね、まあ、あのくちのおおきいことさ。 きっと、かえるの親類か何かなんだよ。」
こんな調子です。
おお、よだかでないただのたかならば、こんな
それなら、たかという名のついたことは不思議なようですが、これは、一つはよだかのはねが
ある夕方、とうとう、鷹がよだかのうちへやって参りました。
「おい。
居るかい。
まだお前は名前をかえないのか。
ずいぶんお前も
「鷹さん。 それはあんまり無理です。 私の名前は私が勝手につけたのではありません。 神さまから下さったのです。」
「いいや。
おれの名なら、神さまから
「鷹さん。
ブックマーク系
サイトメニュー
シェア・ブックマーク
よだかの星 - 情報
青空情報
底本:「新編 銀河鉄道の夜」新潮文庫、新潮社
1989(平成元)年6月15日第1刷発行
1991(平成3)年3月10日4刷
底本の親本:「新修宮沢賢治全集 第八巻」筑摩書房
1979(昭和54)年5月
入力:佐々木美香
校正:野口英司
1998年8月20日公開
2025年2月2日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
青空文庫:よだかの星