宝島 02 宝島
著者:スティーブンソン Stevenson Robert Louis
たからじま
文字数:189,688 底本発行年:1935
[#改ページ]
買うのを躊躇する人に
もしも
もしもスクーナー船や、島々や、
さてはまた昔の風のままに再び語られた
あらゆる古いロマンスが、
――それならよろしい、すぐ始め給え! もしそうでなく、
もし勉強好きな青年たちが、
昔の嗜好を忘れてしまい、
キングストンや、勇者バランタインや、
森と波とのクーパー(註一)を、もはや欲しないなら、
それもまたよろしい! それなら私と私の海賊どもは、
それらの人や彼等の創造物の
墳墓の中に仲間入りせんことを!
[#改丁]
第一篇 老海賊
第一章「ベンボー提督 屋」へ来た老水夫
大地主のトゥリローニーさんや、医師のリヴジー先生や、その他の
私は、彼が、船員衣類箱(註三)を後から
し、そうしながらひとりで口笛を吹いていたが、それから突然、その後もたびたび歌ったあの古い船唄を歌い出したのだった。
――
「
よいこらさあ、それからラムが
すのに調子を合せて歌って
したり店の看板を見上げたりしていた。
「これぁ便利な入江だ。」
とようやく彼は言い出した。
「この酒屋も気の利いた
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宝島 - 情報
青空情報
底本:「宝島」岩波文庫、岩波書店
1935(昭和10)年10月30日初版第1刷発行
1956(昭和31)年6月30日第17刷発行
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の表記をあらためました。
その際、以下の置き換えをおこないました。
「亦→また、既に→すでに、於いて→おいて、於ける→おける、甚だ→はなはだ、以て→もって、殆ど→ほとんど、度々→たびたび、漸く→ようやく、極く→ごく、傍→そば、暫く→しばらく、直ぐ→すぐ、真直→まっすぐ、何故→なぜ、殊に→ことに、更に→さらに、尤も→もっとも、勿論→もちろん、益々→ますます、猶→なお、早速→さっそく、遂に→ついに、此処彼処→ここかしこ、彼処→あすこ、尚→なお、所謂→いわゆる、忽ち→たちまち、何処→どこ、彼奴→あいつ、何時→いつ、苟も→いやしくも、悉く→ことごとく、如何→いか、尚更→なおさら、筈→はず、誰→だれ、頗る→すこぶる、即ち→すなわち、咄嗟→とっさ、全く→まったく、著→着、ハンヅ→ハンズ、乃至→ないし、謂わば→いわば、彼方此方→あちこち、此奴→こいつ、駈→駆、差支え→さしつかえ」
※「燈」と「灯」の使い分けは、底本通りです。
※一部、ルビを補いました。
※入力に際しては、「宝島」新潮文庫(佐々木直次郎・稲沢秀夫訳)を参考にしました。
入力:kompass
校正:伊藤時也
2009年8月12日作成
2012年2月23日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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