海島冒険奇譚 海底軍艦 05 海島冒険奇譚 海底軍艦
著者:押川春浪
かいとうぼうけんきたん かいていぐんかん - おしかわ しゅんろう
文字数:123,663 底本発行年:1900
はしがき
一。 太平洋の波に浮べる、この船にも似たる我日本の國人は、今や徒らに、富士山の明麗なる風光にのみ恍惚たるべき時にはあらざるべし。
光譽ある桂の冠と、富と權力との優勝旗は、すでに陸を離れて、世界の海上に移されたり。
この冠を戴き、この優勝旗を握らむものは誰ぞ。
他なし、海の勇者なり。 海の勇者は即ち世界の勇者たるべし。
一。 天長節の佳日に際し
子爵 伊東海軍大將
肝付海軍少將
伯爵 吉井海軍少佐
子爵 小笠原海軍少佐
上村海軍少佐
各位の清福を賀※[#変体仮名し、はしがき-14]、つたなき本書のために、題字及び序文を賜はりし高意にむかつて、誠實なる感謝の意を表す。
一。 上村海軍少佐の懇切なる教示と、嚴密なる校閲とを受けたるは、啻に著者の幸福のみにはあらず、讀者諸君若し此書によりて、幾分にても、海上の智識を得らるゝあらば、そは全く少佐の賜なり。
一。 遙かに、獨京伯林なる、巖谷小波先生の健勝を祈る。
著者※[#変体仮名し、はしがき-20]るす
[#改ページ]
(海島冐檢奇譚)海底軍艦目次
第一回
子ープルス港の奇遇――大商館――濱島武文[#「濱島武文」は底本では「濱鳥武文」]――春枝夫人――日出雄少年――松島海軍大佐の待命
第二回
送別會――老女亞尼――ウルピノ山の聖人――十月の祟の日――黄金と眞珠――月夜の出港
第三回
銅鑼の響――ビール樽の船長――白色檣燈――古風な英國人――海賊島の奇聞――海蛇丸
第四回
葉卷煙草――櫻木海軍大佐の行衞――大帆走船と三十七名の水兵――奇妙な新體詩――秘密の發明――二點鐘カーンカン
第五回 ピアノと
船中の音樂會――鵞鳥聲の婦人――春枝夫人の名譽――甲板の競走――相撲――私の閉口――曲馬師の虎
第六回
難破船の信號――イヤ、流星の飛ぶのでせう――無稽な――三個の舷燈――船幽靈め――其眼が怪しい
第七回
水雷驅逐艦か巡洋艦か――往昔の海賊と今の海賊――潜水器――探海電燈――白馬の如き立浪――海底淺き處――大衝突
第八回
弦月丸の最後――ひ、ひ、卑怯者め――日本人の子――二つの浮標――春枝夫人の行衞――あら、黒い物が!
第九回
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海島冒険奇譚 海底軍艦 - 情報
海島冒険奇譚 海底軍艦 05 海島冒険奇譚 海底軍艦
かいとうぼうけんきたん かいていぐんかん 05 かいとうぼうけんきたん かいていぐんかん
文字数 123,663文字
底本 海島冐險奇譚 海底軍艦
親本 海島冐險奇譚 海底軍艦
青空情報
底本:「海島冐檢奇譚 海底軍艦」名著復刻日本児童文学館、ほるぷ出版
1975(昭和50)年10月発行
底本の親本:「海島冐劍奇譚 海底軍艦」文武堂
1900(明治33)年11月15日
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※「変体仮名し」は、「志」をくずした形です。
※文中の「〜〜〜〜」は底本では繋がった波線です。
※「艦の16かく目の「一」が「丶」」は「デザイン差」と見て「艦」で入力しました。
※「覽の10かく目の「一」が「丶」」は「デザイン差」と見て「覽」で入力しまいた。
※「「褒」の「保」に代えて「丑」」は「デザイン差」と見て「衰」で入力します。
※ルビ抜けは底本通りにしました。
※底本には数多くの印刷不鮮明な箇所や誤植が疑われる箇所、仮名遣いの混在がありますが、底本通りとしました。
※なお「ゝ」「ヽ」「ゞ」「ヾ」は印刷不鮮明のため底本どおりではなく、「ゝゞ」はひらがな繰り返し記号、「ヽヾ」はカタカナ繰り返し記号として入力しました。
入力:H.KoBaYaShi
校正:川山隆
2008年6月2日作成
2009年8月31日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
青空文庫:海島冒険奇譚 海底軍艦